<3月21日(木)~ 3月22日(金) ロンドン:雨 成田:雨>
最終日、といっても朝起きて朝食を食べたらすぐ出発だったのだが……。
もうおしまいか、という気がしてとても残念だった。7日間とはいえ、正味5日間しかなかったのはやはり少なかったように思う。行く前は「ロンドン市内だけじゃ飽きるんじゃない?」とも言われたが、いざ行って見ると10日間あっても足りないような気がした。ヒースロー空港へ向かうバスの中で、これから日本に帰る実感もわかず私はぼーっとしていた。
だがしかし、空港にはまだ「免税品店」というものが残っていたのである。かさばるからと後回しにしていたお酒を求めて、リカーショップへ向かった。その時目に入ったのは、リカーショップのとなりにあるHarrodsであった。
それからの私たちはものすごい勢いで色々なものを買った。実は最もお金を使ったのは最終日なのではないかと思ってしまうほどだった。友人はついにお金がなくなり、私に£2借りるはめに。今まで出し惜しみしていたのは何だったのだろう?
そんなことをしているうちにやがて出発の時間になった。ヴァージンアトランティック航空VS900便、ロンドン・ヒースロー空港13:00発。帰りの席は運良く窓側が取れ、雨に煙るロンドンを見つめながら離陸していった。さようならロンドン。
ロンドンはあいにくの雨だったが、飛行機の通り道である北欧やロシアの辺りはよく晴れており、広大な白い大地を雲の上から見ることができた。どこからが海でどこからが陸かも分からないほどの景色を見ているうちに、窓の外が暗くなり、機内は消灯時間となった。私は行きと同じようにゲームに興じたり空地図を見たりしていたが、さすがに眠くなり2~3時間×3回は寝たと思う。最後に目を覚ましたとき、窓の外がうっすらと明るくなっているのが見えた。ウィンドウシェードを少し上げると、真っ青な空の向こうに、別の飛行機が飛行機雲を出しながら並んで飛んでいるのが見えた。しばらく見とれていたら、いつのまにか窓の外が白く曇っていた。「まもなく成田に到着します」というアナウンスがあっても依然として真っ白。やっと家が見えてきた、と思ったら高速道路が現れ、「あれ?」と思った瞬間に着陸。成田は見事に雨であった。
<あとがき>
私のロンドン旅行はこうして幕を閉じた。
初めての海外旅行であったのだが、英会話は友人に助けられたりしたものの、大恥をかくようなこともなく無事に帰ってくることができた。
何よりうれしかったのは、一緒に行った友人に「まっきー(私の愛称)と一緒に行って良かった」と言われたことである。地図を確認したり、地下鉄の最寄り駅を探したりするだけだったのだが、友人が英会話担当だったとすれば、ちょうど良い具合に役割分担ができていたのかもしれない。私ももちろん「ちえぞう(友人の愛称)と一緒に行って良かった」と言った。
つくばを離れることが決まっていた私にとって、友人と最後に良い思い出を作ることができて本当に良かったと思う。つくばを離れるのはたまらなく寂しく、辛いことであったが、彼女とはこれからも良い友人としてつきあっていけそうな気がした。
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